「瞳」はpupilと言います。これ,「生徒」って意味ですよね。studentよりも年齢が幼い,みたいに習った人もいるかも知れません。
なぜ「瞳」「生徒」が同じ単語なのでしょうか。sound「音」「健全な」のように偶然綴りが一致しただけでしょうか?
(thinking time)
この答え,「瞳」という漢字の中に答えがあります。
(thinking time)
「瞳」は「目」の「童(わらべ)」,つまり「小さい人」です。目の中に小さい人が映っているから「瞳」なのです!
そして,だから英語でもpupil「学童」が「瞳」をも意味するのですっ
英語と漢字の違いは,漢字が「童(=小さな人)」に「目」を付けて「瞳」としているのに対し,英語はpupilがそのまま「瞳」になっていることですね。
pupil “小さな人”→「学童,生徒」
pupil “小さな人”→「瞳」
と,どちらもpupilから直接来たのでしょう。
このように言語が違っても語源が同じなのは面白いですね。2020/3/25の記事で,swallowは「燕」という意味と「飲み込む」という意味があるが,「嚥下」という語にも「燕」という文字が入っているという話をしました。これに似たものがありますね。
そう言えば「こめかみ」のことをtemple(s)と言いますね。これは「寺」と関係があるのでしょうか。“temple etymology”で調べてみると,「寺」のtempleはラテン語のtemplum(複数形templa)「神殿」から,「こめかみ」のtemple(s)はラテン語のtempus(複数形tempora)からで,tempusは「時間」または「こめかみ,側頭」の意味のようです。だから不思議がるべきは「なぜこめかみと寺が一緒の意味であるか」よりも「なぜこめかみと時間が一緒の意味であったか」の方ということになりますが,そこまでは分かりませんでした。
なお「こめかみ」の語源は「米噛み」だそうです(´ω`)