フレイニャのブログ

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Asgard Stories 9:トール3昼夜休まず鎖を作る

Asgard Stories

Asgard Stories 8の続きです。エーシルはフェンリルをどう手懐けるのでしょうか?

 

He was a war-god, like Thor, and is sometimes called the Sword-god. Tyr was loved by all because he was so true and faithful.

テュールはトールと同じく軍神で,時に剣神と呼ばれました。テュールはとても正直で誠実だったので皆に愛されていました。

 

Each day the dreadful wolf grew larger and stronger, till all at once, before the Æsir thought about it, he had become a very dangerous beast. Father Odin always looked troubled when he saw Fenrir, the wolf, come to get his evening meal of meat from Tyr’s hand, and at last one night, after the wolf had gone growling away to his lair, Odin called a meeting of the Æsir. He told them of his fears, saying they must find some plan for guarding themselves and their home against this monster. They could not slay him, for no one must ever be killed, and no blood must be shed, within the walls of the sacred city.

日に日にその恐ろしい狼は巨大かつ獰猛になり,ある時突然,エーシル達も気づかないうちに,非常に危険な獣になってしまっていました。父なるオーディンは狼フェンリルテュールの手から夕食の肉を食べに来るのを目にするといつも困った顔をして,ついにある晩,フェンリルが唸りながらねぐらに行ってしまったあと,オーディンはエーシル達を集め話し合いを設けました。オーディンは彼らに自らの不安について話し,この怪物から自分達と自分の本拠を守るための計画を考え出さねばならないと言いました。フェンリルを殺すことはできませんでした。というのもこの神聖な城の城壁内で誰も決して殺されてはならず,また誰の血も流されてはならなかったからでした。

he saw Fenrir, the wolf, comeのcomeが原形であるので,see O V(原形)「OがVするのを見る」という知覚動詞の用法です。

lairは「ねぐら,すみか」という意味で,個人的に初めて知ったのは「リターン・オブ・イシター」のDragon’s Lairです。

shedはshed―shed―shedという活用で,「(血・涙を)流す」「(葉を)落とす」「(光を)投げかける」という意味ですね。

 

Thor was the first to speak: “Do not fear, Father Odin, for by to-morrow night we shall have Fenrir so safely bound that he cannot do us any harm. I will make a mighty chain, with the help of my hammer, Miölnir, and with it we will bind him fast!” When the Æsir heard these words of Thor, they were glad, and all went home rejoicing—all save the Allfather, who was still troubled, for he well knew the danger, and feared that even the mighty Thor would find this task too much for him. But Thor seized his hammer, and strode off to his forge. There he worked the whole night long, and all through Asgard were heard the blows of Miölnir and the roaring of the bellows.

トールが初めに口を開きました。「父オーディンよ恐れることはありません。明日の夜までにフェンリルが悪さをしないように,安全に縛ってやりますから。俺がハンマーのミョルニルを使って強力な鎖を作ります。その鎖で素早く縛れますよ」 トールのこの話を聞いてエーシル達は嬉しくなり,みな喜びながら家に帰りました。ただ一人オーディンを除いては。彼はまだ不安でした,というのも彼はその試みの危険性をよく分かっていて,力持ちのトールですらこの仕事は荷が重いと感じるだろうと恐れたからです。しかしトールはハンマーを握り,自分の鍛冶場に歩いて行きました。そこで彼は一晩中仕事をして,ミョルニルを振り下ろす音とフンフンと唸る声がアースガルズ中に響き渡りました。

・tomorrowは稀にto-morrowと綴られるようです。morrowは「翌日,明日,朝」という意味です。

rejoiceは「喜ぶ」という意味ですが,joyに似ていることから意味を覚えやすいです。

saveは「……を除いて」という意味の前置詞で,all save N = all but N「Nを除いて皆」です。

roarは「怒鳴る,轟く」,bellowは「怒鳴り声,叫び声」で,トールがハンマーを振り下ろす際に出る声のことだと解釈しました。

 

The next night, when the Æsir were gathered together, Thor brought forth his new-made chain, to test it. In came Fenrir, the wolf, and every one was surprised to see how willingly he let himself be bound with the chain. When Thor had riveted the last links together, the gods smiled, and began to praise him for his wonderful work; but all at once the wolf gave one bound forward, broke the great chain, and walked off to his lair as if nothing had happened. Thor was much disappointed, still he did not lose courage. He said to the Æsir that he would make another chain, yet stronger. Again he set to work, and for three nights and three days the great Thor worked at his forge without resting.

次の日の晩,エーシル達が集まると,トールが出来たての鎖を試そうと持ってきました。狼フェンリルが入ってきて,皆驚いたことに,彼はいかにも大人しく鎖に繋がれたのです。トールが鎖の最後の環を鋲で留めると,神達は微笑んで,トールの素晴らしい仕事を褒め称えました。しかし突然フェンリルがひと跳ねすると,大きな鎖はちぎれ,まるで何事も無かったかのようにねぐらへ帰っていきました。トールはとてもがっかりしましたが,それでも挫けませんでした。彼はエーシル達にもっと強い鎖を作ると言いました。また彼は仕事に取り掛かり,三日三晩,トール兄貴は休むこと無く鍛冶場で働き詰めました。

In came Fenrirに一瞬戸惑ってしまいましたが,〈場所を表す副詞〉+V+Sですね。Fenrir came in→In came Fenrirです。〈場所を表す副詞〉+V+Sの話は多用されるのでもう辞めると言いましたが,自分が詰まったので再確認しました。

rivetは「リベット,鋲」です。動詞がrivettedではなくrivetedなのは,riに強勢があるからです。この話はいずれしますが,1例を挙げると,differ「異なる」はdiに強勢のためdifferedですが,defer「延期する,従う」はferに強勢のためdeferredです。

as if+仮定法は「まるで……かのように」ですね。「……ように」のasの直後に「仮に……」のifが来ていますが,He walked off as (he would have walked off) if nothing had happened.「仮に何事も無かった場合(に歩き去っていたであろうようなの)と同じような様子で,歩き去って行った」からの省略です。事実は何かがあった(ちぎれるはずのない鎖がちぎれた)のですが,驚きも偉ぶりもせず,何もなかった場合と同じ様子で歩き去ったということです。

stillは「動かない」→「依然として」→「それでもなお」という意味があるのですが,形容詞・副詞であって接続詞ではないため,but stillのようにする必要がありますが,ここではstill単体で接続詞のようになっていますね。

 

While he worked his friends did not forget him. They came and looked on while he was busy, and, as they watched the mighty hammer falling with quick blows upon the metal, they talked to Thor or sang noble songs to cheer him; sometimes they brought him food and drink. One visitor, who was no friend, fierce Fenrir, the wolf, sometimes put his nose in at the door for a moment, and watched Thor at work; then, as he went away, Thor heard a strange sound like a wicked laugh.

トールが作業している間,友たちは彼のことを忘れませんでした。彼が忙しくしている間やって来て見守りました。そして力強いハンマーが金属に素早く打ち下ろされるのを観察しながら,トールに話しかけたり,彼を勇気づけようと気高い歌を歌ったりしました。彼に食べ物や飲み物を持ってくる時もありました。友達ではない1人の訪問者,獰猛なフェンリルは,時々扉から暫し鼻を突っ込み,トールの仕事ぶりを見ていました。フェンリルの去り際,トールには悪そうな笑い声のような奇妙な音が聞こえました。

look onは「傍観する」より温かみのある訳し方をすれば「そばで見守る」ですね。looker-onは「傍観者,見物人」です。

 

At last the chain was finished, and Thor dragged it to the place of meeting. It was so heavy that even the mighty Thor could hardly lift it, or drag it as far as Odin’s palace of Gladsheim. This time Fenrir was not so willing to be bound; but the gods coaxed him, and talked of his great strength, and told him they were sure he would easily break this chain also. After a while he agreed to let them put it around his neck.

ついに鎖は完成し,トールはそれを話し合いの場まで引きずっていきました。余りにも重かったので力持ちのトールでもほとんど持ち上げることも,オーディンの宮殿グラズヘイムまで引きずって行くこともできませんでした。今回はフェンリルも,前回ほど進んで縛られようとはしませんでした。しかし神達はフェンリルをなだめすかし,フェンリルはとても強いという話をし,きっと君ならこの鎖もちぎることができるよと言いました。暫くしてフェンリルは,神達が首に鎖を巻くのに同意しました。

as far as... は「……のような遠いところまで」の意味,そこから「……である限りでは」のように範囲を表す意味があります。as far as I’m concernedは「私に関する限りでは」です。

 

This time Thor was sure the chain would hold firm, for never before had such a strong one been made. But soon, with a great shake and a fierce bound, the wolf broke away, and went off to his lair, snarling and showing his wicked teeth, while the broken chain lay on the ground. Sadly the Æsir came together that night in Odin’s palace, and this time Thor was not the first to speak; he sat apart and was silent.

今度こそトールは鎖がしっかりと繋ぐだろうと確信していました。ここまで強い鎖が作られたことはなかったからです。しかし間もなくして,大きく体を震わせ,激しく飛び跳ねて,フェンリルは鎖を振りほどき,唸り声を上げて悪そうに歯をむき出しにし,バラバラになった鎖が地面に散らばる中,ねぐらに帰っていきました。その晩,悲嘆に暮れてエーシル達はオーディンの宮殿に集まりましたが,今回はトールは自ら声を上げようとはしませんでした。彼は離れた所に座って黙り込んでいました。

never before had such a strong one been made〈否定語文頭倒置〉です。such a strong one had never been made before→never before had such a strong one been made

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今回はフェンリルテュールのドタバタ劇というより,トールの独り相撲(失礼)でしたね。次回,夏の神フレイがある提案をします。お楽しみに!

 


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