日本語と英語の発想が逆になっている単語の紹介です。
(1)extention「内線」
形態素“tend”には「伸ばす」という意味があり,extendは「延長する,拡げる」です。難しい意味として「(援助)を与える,(謝意)を述べる」といった意味もあるようです。「手を差し伸べる」という言い方もあるので,「延ばす」が「助ける」イメージになるのでしょう。そう言えば「述べる」も「伸べる・延べる」も同じ音ですね!
他にtenseは「引っ張られた」→「緊張した」,tensionは「緊張(状態)」ですね。
extendの名詞形には重要なものが2つあります。
①extent「程度,範囲」
the extent to which S V...=the degree to which S V...「SVする程度」「どの程度SVするか」は,S V...の所に完全な文が書けるので便利です。
To what extent+疑問文は「どの程度(まで)……か」という疑問文です。例えば
To what extent can we trust him? で「どの程度まで彼を信用できるか」です。
②extention「延長,内線,つけ毛(エクステンション)」
extentと混同注意ですが,extentionは「延長すること,延長した・されたもの」という意味です。我々は「内線」と言いますが,外から屋内に引かれた電話線を,更に別の電話機まで延ばすのでextentionと言うわけです。つけ毛の「エクステ」もextentionsですね。
(2)subject「主題」
まずは「科目」の意味で習う語ですね。
形態素“ject”は「投げる,投げられた」です。分かりやすいのはprojectですね。「前方へ(pro)投げる(ject)」で「投影する(→プロジェクター)」「計画」です。
rejectは「投げ(ject)返す(re)」で「拒絶する,はねつける」です。
なおrefuseは「流し(fuse)返す(re)」で「断る,拒否する」です。「投げる」rejectの方が強いイメージですね(笑)
subjectは「下に(sub)投げられた(ject)」で,何かに服しているイメージになります。
例えばsubjectには「臣下・臣民」の意味があり,また「被験者」もsubjectです。
更にbe subject to...「……を受けやすい(受けねばならない),……に左右されやすい」は重要熟語ですね。どれも「服する」のイメージですね。
「主題・話題」をsubjectと言うのは,我々人間が上で,話題・議題として我々の下に置かれている,というイメージなのだと思います。我々が「話題」を料理するわけです。教室においても我々教師・生徒によって扱われ,取り組まれる題材が「科目」です。
ということで「下・副」の意の“sub”を使うわけですが,「主たる題目」の「主」と「副(sub)」が逆に思えて面白いわけです。
次回はrefuseなど「拒否」系をまとめてみたいと思います。
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