直訳,あれはいいものだぁ〜
こんにちは,直訳が好きなフレイニャです。
しかし英語と日本語の微妙な意味の違いにより,直訳すると変に取られる危険性があるものがあります。
I couldn’t agree with you more. を単純に直訳すると,
「これ以上あなたに同意することはできなかった」となります。
couldが現在の意味で使えるとしても,「これ以上あなたに同意することはできない」となります。
これはある意味正しいのですが,「あなたに反対意見だ」のように聞こえますよね。
これは正しくは「この上なくあなたに賛成です,あなたに大賛成です」の意味です。
このcouldは仮定法過去で,主節に書いた場合は現在の(従属節に書いた場合は主節と同じ時の)反実仮想になります。
基本的な形は
If I had ten thousand yen, I could buy that book.
「もし一万円持っていたら,その本が買えるのに」のように
If S V(過去形), S would/could/might/should V.
「SVだったら,SはVするだろうに/Vできるのに/Vするかもしれないのに」
です(shouldはイギリス英語で主語Sが1人称の時にwouldの意味で使われます)
今回の
I couldn’t agree with you more. はIf節がありませんが,
(1) 文脈上何を仮定しているのか分かっている場合
(2) 文中のある語句に仮定が込められている場合
にはIf節を明示しないことが可能です。例えば
A true friend wouldn’t say such a thing.
「(仮に)本当の友達だったらそんな事は言わないだろう」は,主語のA true friendに仮定が込められています。
次の例は仮定法過去完了(主節に書いた場合は過去の反実仮想)ですが,
A hundred years ago we couldn’t have imagined such a thing.
「(仮に)百年前だったらそんなことは想像できなかっただろう」は,副詞のA hundred years agoに仮定が込められています。
I couldn’t agree with you more. も
「仮にこれ以上,あなたに同意しようとしても,それはできないでしょう」という意味,つまり
「今あなたに100%同意しているので,これ以上同意の度合いを上げることはできない」という意味で「賛成できない(couldn’t agree)」と言っているのです。
「あなたに100%同意です」「この上なくあなたに賛成です」という意味ですが,おどけて言えば「あなたに120%同意だ」と実質同じようなことになるでしょう。
前日のcouldn’t be betterも,もう100%の良さになったので,これ以上改善の余地はない,つまり完璧だ,ということになります。
leave nothing to be desired「改善の余地はない(=完璧だ,申し分ない)」と同じ発想ですね。
leave much to be desiredだと「改善の余地が多い(=完璧には遠い)」です。
仮定法は色々話すことがあるので,またしたいと思います!
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