フレイニャのブログ

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Asgard Stories 1:北欧神話を読んでいきます

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本日で50日連続ブログを更新したことになります。まだまだネタはあるのですが,できる限り続けていくとなると多少は新しい物を取り入れていかねばならないので,英語の本を読んでいくことにしました。

そこで目をつけたのがプロジェクト・グーテンベルクです!

これは海外の青空文庫に相当するもので,著作権が切れた本の内容がネット上で見られるようになっているものです。

私も青空文庫で「日本探偵小説三大奇書」(Wikipedia)のドグラ・マグラ」(夢野久作を読みましたよ。読むと精神に異常を来すなどと言われていますが,私は今のところ大丈夫のようです。

で,せっかくなので好きな分野であるファンタジーにしようと思います。とはいえ『ウィッチャー』のような面白いファンタジー著作権が切れた作品を探し出すのは大変なので,神話の本,中でも北欧神話にすることにしました。『ウィッチャー3』でも「フラヤの鎧」とか「ヘムダール」とか出てきますし,「ワイルドハント」も北欧の伝説です。

便利なことにプロジェクト・グーテンベルクキーワード検索ができ,DLされた数が多い順に並んでくれます(DLせずブラウザ上で読むこともできます)。Norse mythologyで検索すると24冊ヒットし,適当に中を覗いて

Asgard Stories: Tales from Norse Mythology by Mabel H. Cummings and Mary H. Foster

というものに決めました。

To all our Children who have loved the hearing of these Asgard Stories

とあり,子ども向けの本のようですね。私も岩波少年文庫の『北欧神話』を読んだことがあります。早速読んでいきますが,話が見えないところはWikipediaで調べ,英語に関して面白そうなところは解説したいと思います。

なおAsgard「アスガルド,アースガ(ー)ルド,アースガルズ」は「アース神族の縄張り」のような意味で,“gard”はgardenに通じそうですね。

英語には興味はないが北欧神話には興味があるという方は,和訳(斜体にしています)と,Wikipediaで調べた注釈の部分だけ読んでいって下さい。

THE STORY OF THE BEGINNING.

The people who lived long ago, in the far-off lands of the north, watched the wonderful things that happened out of doors every day, just as we do; 

大昔,遥か北の土地に住む人達は,今日の私達と同じように,毎日家の外で起こる不思議な物事を観察していました。

just as we doのdoはhappenを指すのは意味上おかしいので,watchを指していますね。「今日の私達も観察しているように」です。

 

but they did not know about the one loving Godwho is the Father of all, who made them and the world, and rules it by his wise laws;

しかし彼らはかの愛情のある神のことは知りませんでした。その神は万物の創造主で,万物と世界を造り,その賢明な掟によって世界を支配しています。

is, rulesなので「今もそうだ」ということですね。なおこれはオーディン(オージン)のことでしょうか。

 

so they thought there must be a great many unseen powers, living in the clouds, in the wind, in the storms, and the sunshine, and doing all those wonders that no man could do.

だから人々は多くの目に見えぬ力が存在するに違いないと,そしてそれらは雲や風や嵐や陽の中にあり,人にはなし得ぬあらゆる奇跡を行っていると考えました。

・thought there must beは,主節との時制の一致が起こってもmustはmustのままにするしかない(canならcouldとしなければならない)ことの好例ですね。

 

And so those northern people, who were our own forefathers, came to believe in many gods—one for the sun, another for the thunder, another for the flowers, and so on.

だから私達の先祖である北方の人々は,多くの神を──太陽の神,雷の神,花の神,などという風に──信仰し始めました。

・「太陽にはある神,雷にはまた別の神,花にはまた別の神,などという風に」でも良いですね。

・「believe 人」は「人の言うことを信じる」ですがbelieve in Nは「Nの存在を信じる」「Nを信用する」「Nを信条とする」の3つの意味があります。

 

In the long, dark winters, when the bright sun had gone away from them, these northmen had time to think many thoughts about the powers of frost, and wind, and storms, which they called giants, and they used to tell stories and sing songs about the short, bright summer, the thawing out of the streams and lakes, the coming of the birds and flowers.

明るい太陽が遠くへ去ってしまう長くて暗い冬には,これらの北方人達は霜,風,嵐が持つ力について多くのことを考える時間があったため,それらを巨人と名付け,短くて明るい夏や,川や湖の雪解け,鳥や花の到来についての物語を語ったり歌を歌ったりしたものでした。

thaw /θɔː/ は「雪解け(する)」という意味ですね。

 

With great joy the people saw the bright sun-god, Baldur, come back to them in the spring, after the long darkness, and knew that they owed their lives to his friendly warmth and light.

長い暗闇のあと,春に明るい太陽の神バルドルが戻ってくるのを,人々は大きな喜びを持って眺め,自分たちの命があるのはバルドルの優しい暖かさと光のおかげであると考えました。

see Baldur come back知覚動詞(see+O+原形動詞)ですね。owe A to Bは「AはBのお蔭である」です。

 

As we read the stories, or myths, told by those people long ago, we can see that they were meant to tell about the world around us. At first the stories were told and sung from father to son—that is, from one generation to another; but later, when people learned how to write, these myths were written down, and kept with great love and care.

昔々にこれらの人々によって語られた物語や神話を読むと,それらが身の回りの世界について語ることを目的としていたことが分かります。初めはこれらの物語は父から息子へと,つまりある世代から次の世代へと語りそして歌い継がれたものですが,のちに人々が物を書くことを学ぶと,これらの神話は書き記され,大いに愛されて大切に保存されました。

see that... は知覚ではなく,「…であることが分かる」という意味です。with careはcarefullyと同意ということで「注意深く」とも言えますが,「大切に」としました。

 

This is the story they told of the Beginning. At first, before living creatures were in the world, it was all rough and without order. Far to the north it was very cold, for ice and snow were everywhere. Toward the south there was fire, and from the meeting of the fire and the cold a thick vapor was formed, from which sprang a huge giant.

今から話すのは,原初世界について人々が語った物語です。初め,生物がこの世に存在する前,全てが乱雑であり無秩序でした。北の果てでは至る所に氷と雪があったため非常に寒かったです。南の方には炎があり,炎と氷雪が合わさることで熱い蒸気が形作られ,そこから巨大な巨人が生まれました。

vaporは「蒸気」で,ここからevaporate, vaporize「蒸発する」が覚えられます。

・北の地は「ニヴルヘイム」,南の地はムスペルヘイム,蒸気から生まれた巨人とは「ユミル」のようです。

 

On looking about for some food, he saw a cow, who was also searching for something to eat. The ice tasted salt, and when the cow began to lick it, a head appeared, and at last the whole figure of a god stood before her.

食べ物を探そうと辺りを見回すと,間もなく巨人には1頭の牛が見えましたが,牛もまた食べ物を探していました。氷が塩気を持っていたので,牛が氷を舐め始めると,頭が出てきて,ついには神の姿をした全身が牛の前に立ちました。

on+Vingは「接触」から「時間的接触」即ち「即座」の意味を持ちますので「……するとすぐに」と訳せます。「間もなく」と訳しておきました。

・氷を舐める牛は「アウズンブラ」,まず頭から現れた神は「ブーリ」オーディンの祖父)のようです。全身が出てくるまで3日かかったようですね。

figureは「数字,図形,人影,人物」です。動詞では「分かる(figure out)」が重要です。

今回はここまでにしたいと思います。また次回をお楽しみ下さい。

↓次回です

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