フレイニャのブログ

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繰り返しを避ける省略

先日の記事

He can speak French, much more English.

He can speak French, still more English.

を紹介した時に考えたのですが,英語には「繰り返しを避ける省略」というものがあります。

 

有名なことわざに,

To err is human, to forgive divine.というものがあります。

このhumanとdivineは形容詞なので,「人間だ」「神だ」という訳を避け,

「過つは人間の行動,許すは神の行動」(to errとto forgiveは行動を表しているので)とし,よりかっこよく

過つは人の常,許すは神の心[神の業]」のように訳されるのでしょう。

 

ところでこのことわざには省略が2つ発動されています。おわかりでしょうか。

(1) まず2回めのisが「繰り返しを避ける」ため省略されました(to forgive is divine)

(2) そして「繰り返しを避ける省略」の時,andもなくなることが多いようです。

 

To err is human, and to forgive is divine.「間違うのは人間的な行為であり,そしてそれを許すのは神の行う行為である」

から(1)→(2)と発動し,

To err is human, to forgive divine.「過つは人の常,許すは神の心」

となったと考えられます。

 

卑近な例でやってみると,

Some came on foot, and others came by bus.「徒歩で来た人もいれば,バスで来た人もいた」

(1) Some came on foot, and others by bus.

(2) Some came on foot, others by bus.

 

2回めのcameを消すのは冗長性を排しリズム感を出すため,そして──分詞構文の解説で述べたように──接続詞andを消すのもリズム感を出すためですね。

 

さて,この「繰り返しを避ける省略」を手掛かりに,冒頭に示した

He can speak French, much more English.

He can speak French, still more English.

を考えてみたいと思います。

He can speak French, and he can speak English much better.

「彼はフランス語が話せるし,英語は遥かに上手に話せる」

これに(1)「繰り返しを避ける省略」が発動すると,

He can speak French, and he can speak English much better.

He can speak French, and he can speak English much better.

He can speak French, and        English much better.

さらに(2) andも消えると

He can speak French, English much better.

これは

He can speak French, much more English.

にかなり似ていますね!

 

still moreのstillは「なお一層(even)」の意味ですから,

He can speak French, and he can speak English still better.

「彼はフランス語が話せるし,英語はなお一層上手に話せる」

ここから(1)+(2)で

He can speak French, English still better. となり,

これが

He can speak French, still more English.

に似ているということになります。

 

この「繰り返しを避ける省略」というのは,結構重要なものだと思います。

次回はこれを手掛かりに,「not1語で前の否定文を代用できる」というのを解説します。

 


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