take after「(近親の年長者)に似る」といった動詞の熟語,in no time「まもなく」といった副詞の熟語に気をつける人は多いですが,長文を引っかからずに読むためには名詞の熟語も積極的に覚える必要があります。
例えばdivisionは「分割」,labor は「労働」ですが,division of labor [labour] は「分業」が定訳ですね。
またshurfaceは「表面」ですが,a surface shipは潜水艦とは違って水面上しか移動できない船舶,つまり普通の船のことです。
この手のものは積極的に覚えていく姿勢が大切です。こういう熟語名詞専用のメモ・ノートを作っていくのがお勧めですね。
今回は面白そうなもの3つを紹介します。
(1)
大学のゼミにて……
学生「『このネットの収入は……』。先生,こんな時代にネットってあったんですねぇ(しみじみ)」
先生「この大学に英語の試験はないのかね?」
netには「網」という意味と「正味の(grossの逆)」があり,「インターネット」は「網」のnetから来ていますよね。
「正味の」のnetはneat「小ぎれいな」と関係しているようです。
net incomeは「正味の収入,純収入」ですね。お菓子の「net 50g」のnet(袋や乾燥剤の重量を含まない)です。
NNPはnet national productで「国民純生産」,NDPはnet domestic productで「国内純生産」です。
頭文字のNをG (gross)に変えれば「純」のところが「総」に代わります。
※「総」と「純」の違いは,減価償却を含むかどうかだったと思います。
(2)
pet theoryは「ペットに関する学説」ではなく,「お気に入りの説,持論」です。
one’s pet... で「oneのお気に入りの……」の意味です。
(3)
pilotは「水先案内人」という意味があり,「案内・先導する」から「試験的な」の意味があります。社会で「パイロットファーム(実験農場)」というのを習った人も多いと思いますが,pilot studyは「試験的な調査・研究」という意味で,社会の一部で実験的に導入される制度(社会実験)を指すこともあるようですね。
このような熟語名詞は気をつけないと珍訳の原因となり得るので辞書をよく調べるか,グーグル先生に聞くようにしましょう。
以前も述べましたがグーグル先生に聞くときはカギ括弧で括って検索しましょうね。
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