単語の混同には「無意識の混同」と「意識した上での混同」があります。
ここでちょっとクイズを。早押しクイズで,以下の意味を問われたと思って答えてみて下さい。
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以下の英語の意味を答えよ。
It’s worth noting that…
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「……であることは価値が無い」と答えた人はいなかったでしょうか?
正しくは「……であることは言及に値する/……であることは注意するに値する」です。
つまりnothingではなくnotingなのです。
(1)
sighとsign,wordsとworlds,nothingとnotingのような,分かっていたのに不注意なせいで間違えることは,絶対に避けたいところです。
このためには落ち着いて読むことも重要ですが,ベストの体調で試験に臨むことが肝要です。勝ちたいサッカーの試合に徹夜明けで臨む人はいるでしょうか。
(2)
これに対し,その単語であることを認識した上で,別の単語と「どっちがどっちだっけなー」となることがあります。
こちらは(1)ほどに反省する必要はないでしょうが,再び間違わないように,何らかの区別の方法を(語呂合わせでもいいので)編み出しておくことは重要ですね。
アッバース朝の主要な首都はバクダード,ウマイヤ朝の首都はダマスカスですが,
アッバース朝:バクダード ウマイヤ朝:ダマスカス
のように区別していました。
私は受験生時代,これを提出物の余白に書いて世界史の中谷臣先生(当時駿台予備校京都校)に提出したら,splendid!と書かれて返却されました。それで私はsplendidという単語を初めて知ったのでした笑
では本題に入ります。
sighとsignの混同は反省すべきですが,causalは知らないと絶対にcasualと思いこんでしまいますね。
causal「原因の,因果関係の」
※要はcauseの形容詞で,「コーザル」ですね。下に上げた動画を聞くと「カーゾゥ」のように聞こえます。
casual「偶然の,行きずりの,何気ない,打ち解けた,普段着の」
※「カジュアル」ですね。a casual lookにはどうやら「何気なく見ること」の意と「カジュアルな(フォーマルでない)見た目」の意とがあるようですね。
にげんんはもじがぎくゃになってもしゅうせいしてよむのりうょくがあるといれわます。
casualとcausalはsとuが逆になっいてるだけですから,causalを勝手にcasualに修正して読む危険性は高いです。だからcasualという語を見た時,「causalもあったな」という意識は必要ですね。expectとexceptも文字が入れ替わっただけだから見間違えやすいですよ!
banishとvanishは見た目の区別が付きやすいので,「どっちがどっちだっけなー」となるタイプだと思います。
先ほど「何らかの区別の方法を編み出しておく」と言いましたが,この場合は
banは「禁止する」→banish「追放する」
vainは「虚しい」→vanish「消滅する」
このように語源や字面に着目して区別するのが大切な心構えです。さらに,文脈を元に判別することも重要ですね(この文脈でこちらの意味はないだろう,という思い込みには注意ですが)
★この記事を書いた3日後,2020年度東京大学二次試験4(B)の下線部和訳の下線部中にvanishが出題されましたよ!ま,偶然ですけどね。
(2020/10/12追記)『英語とクイズのココロセカイ』をやっていたらvarnish「ニス」というのが出題されました。vanishと1字違いですね!
↓causalの発音動画です。このシリーズは助かりますね!